6月15日、日産から新型「ラフェスタ ハイウェイスター」が発売された。
車種名を聞いて「どういう意味?」と疑問に思った読者諸兄も多いだろう。ラフェスタは日産が造るミニバンの車名だが、「ハイウェイスター」はエアロパーツを装着したグレード名になるからだ。
新型ラフェスタハイウェイスターは、マツダが日産に供給するOEM車。すなわちプレマシーの姉妹車で、グレード名が示す通り、エアロパーツ装着車に限定される。ならば標準ボディのラフェスタはどうしたのかといえば、こちらは現在でも従来型を継続生産している。エアロパーツを装着したハイウェイスターだけが、プレマシーをベースにしたOEM車に刷新されたというわけだ。
特定のグレードだけを分割してOEM車にする展開は、前代未聞といって良い。従来の常識では、ラフェスタのすべてをプレマシーのOEM車にするハズだが、なぜ、今回はハイウェイスターに限ったのか?
ラフェスタの登場は2004年。リバティの後継に当たる5ナンバーサイズのロールーフミニバンとして投入されたのがはじまり。今でもそうだが、ラフェスタの視界は、復活したシエンタと並んでミニバンの最高峰。サイドウィンドウの下端を低く抑えた水平基調のボディにより、前後左右とも非常に見やすい。直線的な外観を生かし、スライドドアも備える。発売当初は、広い開口部を持つパノラミックルーフが標準装着されていた。
ところが売れ行きは不振だった。フロントマスクのデザインが受けず、視界に優れた直線基調の外観も、ボリューム感が乏しく見栄えが良くないと敬遠された。ルーフの低い5ナンバーミニバンだから、3列目も狭い(この欠点はウィッシュやストリームも同じ)。乗り心地は少々粗く、危険回避時には後輪の横滑りも生じやすいという理由でだ。
以上のような理由で販売が低迷した結果、「近々生産終了」という報道も聞かれたが、日産は起死回生を狙う。それが2009年11月のマイナーチェンジで投入したジョイXだ。