*1月の米自動車販売台数は前年同月比17%増加
*GMとクライスラーがライバルからシェアを奪う
*トヨタは米販売子会社で希望退職を募集
[デトロイト 1日 ロイター] 主要自動車メーカーが1日発表した1月の米国内自動車販売台数(乗用車および小型トラック)は前年同月から17%増加した。ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)とクライスラーがライバルからシェアを奪い、全体の増加をけん引した。
ただ昨年大規模なリコール(無償の回収・修理)問題で苦戦したトヨタ自動車(7203.T)の販売の伸びは市場全体と同じ17%にとどまり、1年前の落ち込みから急回復を予想していた一部アナリストの予想には届かなかった。
トヨタは同日、新たな販売促進策の導入と、米国販売子会社で3月末まで管理職を対象に希望退職を募集することを明らかにした。
一方、GMの1月自動車販売は前年同月比22%増加し、市場シェアは20%を上回る水準に拡大した。利益率の高いピックアップトラックやSUV(スポーツ用多目的車)の販売が好調だった。
クライスラーの販売台数は23%増加した。
他の主要メーカーも軒並み2ケタ台の増加を記録。ホンダ(7267.T)と日産自動車(7201.T)は15%、フォード・モーター(F.N)は13%、それぞれ増加した。
GMが市場シェアを伸ばしたのは過去6カ月間で初めて。ピックアップトラックの販売増加などに加え、販売奨励策の強化も要因だった。
フォードとGMはいずれもピックアップトラックの販売台数の伸びが市場全体の伸びを上回ったと発表している。
ピックアップトラックはしばしば中小企業のオーナーによって使用されるため、アナリストは同カテゴリーに対する需要を設備投資の先行指標として追跡している。
フォードのFシリーズの販売台数は30%急増し、GMの「シボレー・シルバラード」と「GMCシエラ」は合わせて29%増加した。
アナリストは、原油価格が上昇して需要が減退したり、消費者が利益率の低い小型車を求めたりすれば、こうしたトレンドに水を差す可能性があると指摘している。
ネーションワイドの主任エコノミスト、ポール・バリュー氏は「原油相場はまだ業界に悪影響を与える水準には達していない。原油価格が揚げ足を取らない限り、米メーカーはかなり好調な1年となるはずだ」と述べた。
1月の自動車販売台数は季節調整済み年率換算では1260万台となり、一部アナリストの予想を上回った。