新車販売の上位争いが激しさを増している。自動車業界団体が4日まとめた2月のランキング(軽自動車含む)は、トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」が2カ月ぶりに首位に返り咲き。1月の首位、ホンダの小型車「フィット」は2位だったが、2割販売を伸ばし、再度首位の座をうかがう。各メーカーは燃費性能の優れた小型車を投入、プリウスの独走態勢が崩れた国内市場は混戦模様だ。
プリウスの販売台数は前年比29.2%減の1万9110台。6カ月連続の減少となったが、年度末を控えて営業車を環境性能の高いHVに買い替えよう、という法人需要を効果的に取り込み、首位を奪回した。フィットは約半分を占めるHVモデルの人気や、1月から展開している年率1.9%の低金利ローンを武器に前年と比べて販売を約2割伸ばしたが及ばなかった。
プリウスが首位を奪い返した国内の新車市場だが、プリウスが2位以下に大差をつけていた前年とは状況が異なる。トップから5000台差のなかに5車種が入る混戦模様。そのうち「フィット」とトヨタの小型車「ヴィッツ」、ダイハツ工業の軽自動車「ムーヴ」の3車種は昨秋以降に発売された新モデルだ。
昨年9月のエコカー補助金終了後、各社はHV車や燃費性能の優れた小型車の投入で販売減を最小限に抑えようと躍起。特に先頭を走る「プリウス」と「フィット」の争いは今後も激しさを増しそうだ。
トヨタはプリウスのワゴンモデルを4月下旬に投入する。全面改良から1年半以上が経過したプリウスの反転攻勢を狙う。一方のホンダもフィットHVの兄弟車である初のワゴン型HV「フィットシャトル」を近く投入する予定で首位奪還を目指す構えだ。