[東京 22日 ロイター] トヨタ自動車(7203.T)の豊田章男社長は22日、国内外での生産が正常化する見通しについて「おおむね11月から12月頃になる」と語った。国内は7月頃から、海外は8月頃から順次生産を回復軌道に乗せていく。
豊田社長は、調達に不安のある部品は500品目から150品目まで絞られ、継続して生産するための部品の調達にもめどが立ってきたと語った。
同日開いた会見に、豊田章男社長、新美篤志副社長、佐々木眞一副社長が出席し、今後の生産の見通しを説明した。豊田社長は、生産回復のタイミングを公表することで、販売店が車の納期などについて顧客と話せるようにしたかったと述べた。また、減産による収益への影響については「適切なタイミングで報告したい」とした。
震災によってサプライチェーンが寸断されたことが影響し、生産停止を余儀なくされたことについて、佐々木副社長は今後の部品調達の取り組みとして、現地で完結したモノづくりが進められるよう部品の供給先にも海外進出を促すほか、「(自動車の)設計段階から部品を共通化するなどしてリプレースできるようにしたい」と語った。
トヨタは2011年に国内生産310万台、海外生産460万台を計画していたが、3月11日の東日本大震災以降、サプライヤーからの部品調達に支障が生じており、国内外で減産を余儀なくされている。国内では全車両工場が長期の生産休止に追い込まれ、4月8日までに約26万台の影響があった。4月18日に全工場が生産を再開した後も6月3日までは5割程度の操業としている。
部品不足の影響は海外にも波及している。北米や中国の工場は6月3日まで通常の30%─50%の生産を継続。米国で約15万台、中国で約8万台の減産影響が出る見通し。欧州についても5月末までの生産調整で、約5万台の減産となるという。
(ロイターニュース 杉山健太郎;編集 吉瀬邦彦)