岩手、宮城、福島の3県で高水準の中古車需要が続いている。日本自動車販売協会連合会(自販連)が10日発表した5月の中古車登録台数(軽自動車除く)によると、3県合計で2万5976台と前年同月より6割強増えた。全国値(0.3%増)に比べて伸びが突出している。
東日本大震災による津波で車を失った個人や法人が中古車を求める動きが続いている。
5月の中古車登録の内訳は宮城が前年同月の2.1倍、岩手が5割増、福島が2割増となった。一方、東北運輸局が今週初めにまとめた5月の新車新規登録・届け出台数(軽自動車含む)では宮城が前年同月比で1割増だったものの、岩手は1割減、福島は3割減。足元は新車に比べ中古車の需要が旺盛だ。
個人や法人が価格が手ごろな中古車に向かっている。自動車メーカーの生産停滞で一部の新車の納車に時間がかかったという事情もあり、すぐ乗れる中古車が物色された面もあるようだ。
今後は中古車人気が徐々に落ち着き、新車に移行するとの見方がある。「当初は『すぐ乗れるクルマ』として中古車が求められたが、どうせ買うなら新車をじっくり選ぼうという人が増えてきた」(宮城県内の自動車販売店)という。