日産自動車は高級車「ティアナ」の国内生産を2012年内にも終了する。現在は子会社の日産自動車九州(福岡県苅田町)で生産しているが、次期型については北米向けの中型車「アルティマ」と車種を統合した上で米国などで生産する。国内販売が低迷しているうえ、円高で輸出採算が悪化しているため。
現行モデルは日本とタイ、中国で生産しているが、日本での生産分を米国に移管する。ティアナの10年度の国内生産は約2万6000台。日本での販売については完成車を逆輸入し継続する。
日産は急激な円高に対応し、10年度実績で61万台あった日本からの輸出を中長期的に減らす方針を打ち出している。削減幅は最大で3分の1前後を見込んでおり、具体策としてまず輸出中心のティアナの生産を米国に切り替える。
一方で、日産は九州では日本で需要が根強い小型車の「ノート」の生産を新規に始める。一連の国内外の生産体制見直し後も、販売テコ入れなどを通じて「年間100万台の国内生産を維持する」(カルロス・ゴーン社長)としている。