東レは9日、炭素繊維を車体に本格採用した電気自動車(EV)を試作したと発表した。軽くて強い先端素材を生かし、従来のEVに比べ4割軽く、衝突に強いのが特徴。1回の充電で走れる距離が伸び、二酸化炭素(CO2)の排出も抑えられる。試作車を活用して自動車メーカーに炭素繊維の本格採用を働き掛け、2015年以降の実用化を促す。
試作した「ティーウェイヴAR1」は2人乗りのオープンカー。最高速度は時速147キロメートルで、車両登録すれば公道も走れる。走行可能距離は185キロメートル。開発費は約3億円。英国の自動車製作会社の協力を得た。
樹脂を混ぜた炭素繊維で車体の骨格などを製作した。車体の重さは846キログラム。4人乗りにしても975キログラムで作ることができ、主に鉄鋼でできた従来のEVに比べて4割軽いという。衝撃を吸収する部材も炭素繊維でつくり、鉄鋼に比べて2.5倍の吸収性能を実現して安全性を高めた。
今後強まる環境規制に対応するため車体の軽量化は重要な研究テーマ。鉄鋼に比べてコストは高いものの、鉄の4分の1の重さで10倍の強度を持つ炭素繊維の採用が今後進むとみられている。
試作車は9月14~15日に東京国際フォーラム(東京・千代田)で開く「東レ先端材料展2011」で公開する。